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2006年01月23日

センター試験は波乱続き(2)

http://diary.ggtt.net/062301042610.htmlからの続き。

理科の進級で科目の変更があった
センター理科の旧課程では理科は「理科IA、理科IB、総合理科」というように分類されていた。ほとんどの大学では「理科IB」を受けなければ出願できないことになるのはご存じの通り。
そして、センター理科の新課程では「(旧)理科IB」は「(新)理科I」に統合されて分類は「理科I、理科IA、理科総合」となっている(この辺は僕も予備校でのバイトを一昨年辞めてしまったのでかなり知識があやふやだ)。そして、「(旧)理科IB」がほとんどの大学で必須だったように、平成18年からは「(新)理科I」が必須となっている。

自分が受ける科目はどれになるのか
上のことをまとめるとこうなる。
▼現役生で「(新)理科I」を習った人→「理科I」を受験(←大半の現役生はココ)
▼現役生で「(新)理科IA」を習った人→「理科IA」を受験
ここまではよい。問題は旧課程で学んだ人たち(浪人生、再受験生)。
▼浪人生で「(旧)理科IB」を習った人→「理科I」を受験(←大半の浪人生はココ)
▼現役生で「(旧)理科IA」を習った人→「理科IA」を受験
ちなみに数学ではこれの逆で、「数学IA」を選ばなきゃならないところを「数学I」を選んだらアウトになるんだから、つくづくややこしいシステムだと思う。
(参考:http://www.dnc.ac.jp/faq/faq_index.html

この問題でのトラブル多発箇所

s20060123.gif

そして、今回のトラブルの原因となっているのは回答欄に回答科目をマークする部分が左図のようになっていたということ。ほとんどの浪人生は、「(旧)理科IB」で勉強してきたはずだから今回は①の箇所にマークを付けた「(新)理科I」で受験する必要があるのに、左図では(一部の受験生は)自分は旧課程で学んだ世代だから右側のどちらかしか選べないのではないかと勘違いしたというのだ。そして②の箇所にマークを付けて「(新)理科IA」を受験してしまっている。その結果、大学の出願資格自体が危うくなっている。というか、現時点では出願資格は消えてしまっていて、これらの浪人生は実力を発揮する場もないままに志望校を私学に変更するか2浪を受け入れるか、という事態になってしまう。

救済措置は発生しうるか
このトラブルの原因を何におくか。図のマークの箇所がわかりにくかったことが多くのトラブルを招いたということになるのか、それとも単にその受験生が自分の受験する科目のチェックを怠ったことによるものなのか。前ページの、「リスニング」を受験しなかった受験生に「筆記」のみの点数を認めるかという問題と比べてこちらは救済措置を取るのも難しい。

救済措置が行われないと考える場合の理由としては
▼事前に教育課程の変更は広く告知されていて、不注意によるミスは自己責任であること
▼科目選択のマークミスをした受験生に特例を認めるなら数学や地歴でも同じようなミスをした受験生に特例を認めないわけにはゆかなくなること
▼同じようなミスを犯しながら途中でミスに気がついて、残り少ない時間で必至に「(新)理科I」を解き直した受験生はどう扱うのか
▼あまりにも対象となる受験生の数が多すぎた場合は数十万枚以上の答案に対して点数を訂正することがそもそも現実的でない
などが挙げられそうか。

救済措置が行われると考える場合の理由としては
▼そもそも教育課程の変更自体は受験生本人が責任を負うべきところではなく(自分が高校に在籍していた時の教育課程のノルマさえこなしていればその受験生に非はない)、また大学入試センターの説明が足りず、さらに解答用紙の科目選択マーク欄も上記のようにわかりにくいものだった
▼あまりにも数が大きく平成18年度の入試自体が全国的に混乱したものになる
▼マスコミなど世論で大学入試センターの不備であるという声が強まる
などと言ったところだろうか。

現実的にはこの救済は難しそう。
それにしても、仮に救済措置が行われるとしたらどうやって救済するのだろうか。もし全国民の意見が「大学入試センターに不備があった」というものにまとまったとしても救済措置を実際に施行するのは容易ではない。理科や地歴の科目間平均点乖離が大きくなりすぎた場合に「得点調整」という是正が行われることがあるけれど、あれだって実際には平均点が20点以上低い科目を選択した人に5点くらいの下駄を履かせる程度のもので、不利な度合いが20点から15点に軽減される程度。それを考えると、「(新)理科IA」を選択してしまった人が完全に救済(たとえば病傷者などのために来週28日・29日に実施される「追試験」の受験を認めるなど)されることはあり得ない。そんなことをすれば、科目選択をミスっていない人も「僕も間違えました」と偽る人が続出する。

もし仮に救済措置があるとしたら
ありえるとしたら、「(新)理科I」を「未受験」ではなく「受験したが、点数はゼロ点」として扱うというくらいのものが現実的だろう。これでも、「出願すらできない」というところから「出願はできる」というところまでは引き上げられるので、助かる受験生は多いはずだ。過去には国語が「国語I」と「国語I・II」に分かれた平成9年(この年もかなり多くの科目選択ミスをした受験生が発生した)に金沢大学など一部の大学が、「国語は『国語I・II』を受験すること。ただし、今年のみ『国語I』しか受験していない受験生はセンター国語をゼロ点として扱うことを条件に、出願を認める」という救済措置を発動しているそうだ(ソース:未確認。参考:http://school5.2ch.net/test/read.cgi/jsaloon/1137934677/443)。この年は救済措置を発動した大学に全国から失敗した受験生が集まってさぞ大変だったことだろうと思う。センターボーダーもいくぶん下がったのでは無かろうか(国語ゼロ点のやつがやたらたくさんいるので)。今年の場合だと、たとえば京都大学工学部のようにセンター試験で理科がゼロ点でもなんとかなりそうな大学に人気が殺到するのだろうか。

トラブルの遠因はもしかすると…
それにしても、なぜ「(旧)理科IA、理科IB」を「(新)理科I、理科IA」に変更するなんていうややこしいことをしたのだろう。旧課程がセンター試験では扱わない理科IIまで含めて「(旧)理科IA、理科IB、理科II」という構成になっていたのなら、新課程では「I」とか「IA」とかを使わずに「(新)理科α、理科β、理科γ」とか「(新)理科甲、理科乙、理科丙」とか「(新)基本理科、標準理科、発展理科」とか、とにかくいろいろやり方はあったんじゃないかと思う。誰から見てもわかりにくい仕組みを採用した文部科学省だって、今回のトラブルで泣きを見た受験生に対してちょっとくらい申し訳ない気持ちを持ってあげて欲しいものだ。

2006/01/23(月曜日) 4:50

投稿者 鉛筆ころころ : 2006年01月23日 06:45

>現役生で「(新)理科IAを習った人」
というのは存在しないようです。

旧過程:理科IA、理科IB、総合理科
新過程:理科I、総合理科
ですので。
そのため、理科IAの上には新過程履修者が誤って選択してしまわない為に、太字で『旧過程履修者』と書かれたわけですね。
その事が裏目に出て、結果として今回の事態を招いてしまったのですが。

又、数学においては多くの受験者が『IではなくIA、IIではなくIIB』を選ばなければならないことにより、化学においても『IではなくIA』という先入観が生じたことも一因だと考えられます。
私個人の意見としては、タラレバになってしまいますが、理科Iの下に一言『旧過程IB履修者』と書いてあれば、今回の事態は相当軽減されたのではと思います。

投稿者 T.Goto(管理人) : 2006年01月23日 06:59

なるほど。
僕ら旧課程世代にしてみれば「理科I」という科目自体が見たことがないので選ぶのは敬遠してしまいます。
いずれにせよ今回のトラブルで出願すら危機に瀕している人の声がネットのあちこちで見られますが、悲壮としかいいようがなく、某受験生さんのカキコミを見たときには涙が出そうになりました。彼らの無念を思うと、今回のセンター試験はちょっとソソウが過ぎたように思います。

それにしても旧課程の僕らも5~6年前は「新課程」と呼ばれていたんですけどね。当時の旧課程とは平成8年卒までの、微分方程式とか一次変換とかを学習していた世代のことを指していました。

投稿者 えこ : 2006年01月26日 01:36

京都大学工学部は配点としては理科0点ですが、Iで受験していないと出願資格がなかったはずです。

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